こんにちは。
阪急芦屋川駅すぐ
いわもと歯科・矯正歯科
院長の岩本です。
今回は歯の治療回数のお話です。
普段、患者様とお話させていただく中で、
『今回は費用の安い保険の被せ物にしておきます。
また悪くなったらやり変えますので。』
というお声をよく伺います。
確かに、歯医者でのやり変えの治療は
多くの方がご経験があるのではないでしょうか。
そのようなご経験からか、
『悪くなったらやり変える』
というお考えもあるのかと思います。
しかしながら、1本の歯に対して
行うことができる治療回数には
『限界』があることをご存知でしょうか。
岡山大学予防歯科講座では
「一本の歯に対して行う
治療の限度は4〜5回」
「日本の保険診療での
虫歯の再発までの平均期間は5〜6年である」
と報告されています。
具体的に例を挙げて説明いたします。
①最初は小さなむし歯ができ、
樹脂で詰めました。
②小さな詰め物のキワがむし歯になり、
大きな詰め物にやり変えました。
③その詰め物が外れ、中がむし歯になっていました。
根っこの治療が必要になり、被せ物で治療しました。
④根っこの先に膿が溜まって、歯周病も進行してきました。
根の治療やり変えと被せ直しをしました。
⑤再度、被せ物が外れ、中のむし歯が大きく、
歯周病も進行して支えの骨が少なくなり、
抜歯が必要となってしまいました。

この1回1回の治療の間が
平均5、6年ということです。
もちろん全ての歯がこのような経過を、
辿るわけではありませんが、
再発してしまった虫歯は
修復した歯をさらに削らないといけないので
結果として治療を重ねるごとに
歯の寿命としては短くなってしまいます。
そのため当院では
・できるだけ一回の治療を長持ちさせる
(精密な治療 虫歯菌や歯周病菌が定着しにくい治療)
・そもそも虫歯や歯周病にならない環境を作る
(お子様の矯正治療、定期的なチェックによる早期発見・早期治療)
この二点が重要と考えています。
治療費用、期間によっては、
保険治療の方が、患者様にとって
適した治療となる場合も当然あるかと思います。
しかしながら、ご自身のお身体の一部の
歯にとって、どの治療も4、5回のうちの
『大切な1回の治療』であることは
いうまでもありません。
どの治療法を選択されるにしても
今回の治療の価値をよくご理解の上で
ご検討いただければ幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。