芦屋の歯医者
いわもと歯科・矯正歯科
歯科衛生士の和藤です。
口と鼻どちらで呼吸をするのが正しいですか?
と聞かれると、鼻呼吸が正しいと
答えられる方が多いと思います。
では、なぜ鼻呼吸が良いのか?
今回は、
《鼻呼吸と口呼吸》
についてご説明していきます。
コロナウイルスの影響により、
外出時にはマスクを着用する機会が多くなり、
規制が緩和された今も街中では
マスクを着けている方を多く見かけますよね。
あるアンケートでは、
マスク着用時に非着用時と比べて
口呼吸になっていると感じる方が、
約45%おられるそうです。
これは大人だけでなく、
子どもにも大きな影響を与えています。
学校でマスク着用を義務付けられたのは
約3年間ですが、
子どもの3年は大人の感覚とは
比べ物にならないほど長い期間です。
この期間、
マスクの中で口呼吸をしていたとすると
様々な弊害が出てきます。
口呼吸による弊害がどのようなものなのか、
口呼吸のデメリット・鼻呼吸のメリットと
併せてご紹介していきます。
《口呼吸のデメリット》
・ 細菌、ウイルス、冷気がそのまま体内に入る
口呼吸は鼻呼吸と違って、
細菌、ウイルス、冷気が
そのまま体内に入ります。
口の中の温度が0.5℃下がるだけで、
免疫力に多大な影響が出ます。
そのため風邪を引きやすくなります。
・ むし歯・歯肉炎・口臭の原因となる
口の中が乾燥することにより細菌が増殖し、
むし歯・歯肉炎・口臭の原因となります。
・ 低位舌となり歯列に悪影響がある
普段から口呼吸であれば、
舌は正しい位置(スポット)
についていないことが分かります。
舌の位置が下がることで
歯列に悪影響があり、
歯並びや噛み合わせが悪くなる原因となります。
・ 扁桃腺が肥大する
口呼吸により免疫が下がるため、
生体の防御反応として、
温かくない空気が乾燥した状態で
肺に入ることを防ぐために、
扁桃腺を肥大化させて
咽頭部を狭くします。
・ 脳が酸欠状態になる
口呼吸で体内に入る酸素は、
鼻呼吸による酸素より質が悪い
(冷たくて乾燥している)ため、
脳への酸素供給量が不足し
酸欠状態となります。
脳の発達は12歳までに
ほぼ100%完成するといわれています。
脳が発達する時期に、正しく成長するためには
脳にしっかりと酸素を送る必要があります。
《鼻呼吸のメリット》
・ 粘膜によって菌、ウイルスが体内に入ることを防いでくれる
鼻毛や鼻道で大気中の
塵や埃、細菌、ウイルスなどが
除去されて綺麗な空気を
体内に送りこむことが出来ます。
・ 吸い込む空気が温まり、湿度が上がる
外の気温が6度ほどの冷たい空気でも、
鼻腔を通過して喉の奥に達する頃には
30度にまで上昇します。
そして最終目的地である肺に到達する頃、
体温と同じ37度になります。
また、鼻腔を通過することで
湿度は100%となります。
・ 体内に取り込める酸素の量が増える
鼻呼吸をすると、口呼吸と比べて
体内の酸素量が20%増えます。
そのため呼吸過多となるリスクが下がります
・ 一酸化窒素が産生される
一酸化窒素は、
血圧の調整、恒常性の維持、
神経伝達物質、免疫機能、
呼吸機能でも重要な役割を果たしています。
また、
高血圧を予防する、
コレステロール値を下げる、
動脈の老化を防ぐ、
抗ウイルスや抗菌の効果
もあるといわれています。
一酸化窒素が産生されるのは、
鼻腔と全身の血管の内壁のみなので、
口呼吸からは産生することが出来ません。
・ 脳の冷却効果がある
脳は温度に敏感な臓器で、
40.5℃を超えると機能障害を起こしてしまいます。
鼻腔と頭蓋腔の位置は
わずか数ミリしかないため、
鼻から息を吸うことで、
脳の温度を下げる働きがあります。
口呼吸だと脳との距離が遠く、
冷却効果が機能しないため、
集中力が低下する一つの原因となります。
口呼吸は、百害あって一利なしです。
口呼吸を続けていると、お口やお顔に
変化が出てきます。
この写真は、ある姉妹で元々二人とも
口呼吸をしていました。
妹だけ治療により鼻呼吸に変わり、
三年が経過した後の比較写真になります。
口呼吸を続けるとこの姉妹のように
- 上顎の横の歯並びが狭くなる
- 前歯が前にでる
- 顔が縦長になる(アデノイド顔貌)
変化が出てきます。
口呼吸と鼻呼吸は使う筋肉が違うため、
口呼吸の方が鼻呼吸に切り替えようとしても
なかなか難しく、
気がつけば口呼吸に戻ってしまうかと思います。
鼻呼吸を常に行うためには、
前回ご紹介したMFT(口腔筋機能療法)の
トレーニングが効果的です。
気になられた方は是非お気軽にお声掛けくださいね。
最後までお読みいただきありがとうございました。
監修者情報
歯科医師 岩本 浩樹
生まれ育った芦屋に根ざし、患者さまと心の通った歯科治療を目指しております。
お子様には将来のお口のトラブルが少なくなるような矯正治療を、大人の方には治療結果が長持ちする精密治療を得意としており、幅広く皆様のお口の健康に貢献いたします。
所属・資格
- 日本矯正歯科学会
- 臨床歯周病学会
- 芦屋市歯科医師会
- 日本歯科医師会
- 日本口腔インプラント学会
- 日本先進医療機関JIADS
- 大阪口腔インプラント研究会所属
- インビザライン認定ドクター
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